2010年9月7日火曜日

すげニュース(速報)アゼスゲ緑化

日本緑化工学会大会が、9月25日(土)、26日(日)に岡山大学で開催され、

すげの会会員のtsujiさんが

「湿生植物群落内への水の循環による散水海水面の温度上昇抑制」

というタイトルで、アゼスゲを用いた屋上緑化を意図した内容の発表をなさるそうです!

第6回すげの会標本同定会(つくば)でも話題になったアゼスゲによる緑化です。

第6回すげの会標本同定会(科博)その2 アブラガヤ類メモ

第6回すげの会標本同定会(科博)その2 アブラガヤ類メモ

アブラガヤ類の分類
 チュウゴクアブラガヤ←入れない?
 セフリアブラガヤ(帰化)
 イワキアブラガヤ(帰化)北米にもある

アブラガヤ
 チュウゴクアブラガヤを含めないこと
 シデアブラガヤ、アイバソウは含める

坊ヶツルにエゾアブラガヤ(普通は長野の高原近く)、その他、阿蘇のはたべ、霧島、九州の標高の高いところにあり。

側生する花序があるのがアブラガヤ。まれにエゾアブラガヤでも成長が良いものにはある。

アブラガヤとエゾアブラガヤは刺針状花被片の長さが違う。

栗駒山:エゾアブラガヤ

花序の出方で区別。

チュウゴクアブラガヤとasiaticaは区別するのは難しい。
→ハタベアブラガヤとの関係は不明

アブラガヤ←シデアブラガヤ、アイバソウを含める
ただし、シデアブラガヤはエゾアブラガヤやマツカサススキと雑種をつくる

エゾアブラガヤとアブラガヤは雑種になると小穂が長くなる←雑種の特徴
Cyperus、Eleocharisでも同様。
Eleocharis:ヤリハリイ、ハリイ×ヌマハリイ、ハリイ×セイタカハリイなど

アブラガヤの分類は痩果完熟前のものは注意すること。

備中(川上郡八長)のエゾアブラガヤ??:刺針も長い、チュウゴクアブラガヤ(果実は鱗片より長い)とされたものか?同様のものは宇和島でも出てくる。

小穂がアイバソウ(1個)、アブラガヤ(2個以上)の分類は使えない。

チュウゴクアブラガヤ:中国大陸or中国地方??

オオアブラガヤ 刺針状花被片なし。花序は花火状に開く。

第6回すげの会標本同定会(科博)その1

すげの会ニュースに標本同定会報告を掲載する予定ですが、取材メモを先にブログへ。

9月4日(土)13:00-17:30
本日参加者だいたい揃う。
今回初めて名札あり。
ebiharaさんによる標本庫の紹介と注意。
・紹介
 収蔵点数約110万点(種子植物:シダ=約7:3)、うち23.6%がデータベース化済。
 一般標本、タイプ標本の約18万件はHPに公開中。
 国立科学博物館植物研究部(TNS)だけでなく、東京農大(TUAT)、筑波大(TKB)のものも近年移管吸収。一部はプレハブ。
 標本の配列:新エングラー体系
 3Fにカヤツリグサ科。
・注意
 標本庫内に生植物、外部からの標本を持ち込まない。
 同定会用に送付されたものなど外部からの標本は冷凍殺虫する。
 同定変更した場合やカバーの学名の変更、ebiharaさんかhamasakiさんに渡す(データベース更新のため)。
HP公開するために撮影した標本には「photographed」のハンコあり、その他、本の編纂などで使用した標本が分かるように同じ種でもカバー分けしている。
標本番号が7桁以上になったものは、バーコードが貼られている。
バーコードは専用の機械があり、現在は紙テープシールを利用。
標本同定開始:
 hosino先生-hottaさんのから
 masakiーmiyazakiさんのから
 nogutiさん-suzukiさんのから
hoktaさんの標本:岐阜県と愛知県中心のカヤツリグサ科
 ホタルイ×タイワンヤマイの雑種?
 イヌホタルイは柱頭2と3がある
 ショクヨウガヤツリ、チャガヤツリ、クグガヤツリの小穂多数型
 キノクニスゲの果胞からまた果胞
miyazakiさんの標本:クロテンツキ(柱頭2)←柱頭3ならヒデリコ
 ミヤマカンスゲ、オタルスゲ、ニシノホンモンジスゲ、アゼスゲなど
 岐阜県中心。
hayasi・ohnishi青年チーム:標本庫にてアオスゲ類、オオカサスゲなど再チェック。
 hayasiさん:三重県のクロヒナスゲの果胞の脈が細く、口部が浅いとするどいチェック。
       朝熊山で「あさまやま」と読む。へぇ~
kondouさん、ちょっと遅れて登場。広島から車で。無事で何より。
 広島と岡山で新産地発見のスペシャリスト。
 すげの会ニュースに発見記録をお願いする。
 アザミの分類難しい。オオクグ、オオムギスゲ。
 栃木出身。

17:50 バスがないのでタクシーに分乗。

18:00過ぎに「ダイワロイネットつくば」到着。

18:20 懇親会場「白木屋」集合。katuyamaさんまだ。

18:30 懇親会開始。乾杯したあとkatuyamaさん到着。

katuyamaさん:絶滅危惧種選定の話

ebiharaさん:分布図用にいただいたデータベースの緯度経度は毎日の通勤電車の中でコツコツと。
       古い地名のをかなり覚えてしまった。
→katuyamaさんから:古い地名は小学校の名前を参考にすると良い

miyazakiさん:岐阜のgotouさんが2年後退職されるので、2013年のすげの会全国大会開催はどうか?

hottaさん:神社脇で採取後、車のカギを落としたら電話連絡した奥さんがそれを知っていてビックリ!セコムに助けられたと思ったら、現地で本人確認するものが車の中で大あわて。電話するまでにも長靴姿のおじさんに小学生は無言で対応に涙。
→katuyamaさんから:登山客の置いていく車の車上荒らしが増えているので注意。登山するときは少しでも軽くという気持ちになり、大事なものも置いて行きがち。

hosino先生:スゲをなんとか盛り上げることはできないか?菅笠、茶、抗ガン剤。
       海外調査もみんなで行ってみたい。

suzukiさん:福島の実家の庭を娘さんに草取りしてもらっていたら、ある日、除草剤をまかれて大事なスゲも残念な結果に。
 標本を押すのに岩手の海岸にある小石でつくった枕4kgが最高。まんべんなく力が加わり、疲れたら寝ることもできる優れもの。
 プランターに鉢を入れ育てている。持ち運びや位置変えは楽だが、水抜きに問題あり。
 miyazakiさんとhottaさんの標本の作り方が美しい→小穂でなく基部の方を折り曲げる。

9月5日(日)
 昼食時:
スゲの手ぬぐい、Tシャツなど実生活に役立つものをつくろう。
カヤツリグサ科に関わる郷土資料の収集-すげの会ニュースで募集する
カヤツリグサ科の企画展示をつくり、各博物館で巡回提示。
段ボール3箱くらいにおさめて。
何かスゲで役立つものは・・・今はエコトーン。
カサスゲよりもアゼスゲがキレイ。
岩手ではシカとウサギが冬だけスゲを食べる。ミヤマカンスゲ、カンスゲ、オクノカンスゲ、コカンスゲ。
岩手では牛に冬食べさせるスゲを「サッカベ」と呼び、ヒメカンスゲ、ミヤマカンスゲ、カンスゲ。
シカの食害:四国・九州・紀伊半島。九州は林床の植物。
タマツリスゲ:虫害が多い。→シバムシ(茶色)体長3mm

第6回すげの会標本同定会(科博)宿泊先、懇親会場、タクシー会社、コンビニ、弁当屋さん

第6回すげの会標本同定会:於 国立科学博物館・植物研究部

<宿泊先:ダイワロイネットつくば>楽天 or 旅ゲーターor Yahoo
早割で¥6,800とお安い割には、部屋が大変豪華。2人用のお部屋。
従業員の方の気遣いがものすごい。
カードキー。
つくば駅(つくばバスターミナル)目の前、バスターミナルまで歩いて5分。
ホテル出て右、曲がり角を右にいくと「サンクス(コンビニ)」あり。コンビニまで歩いて2分。
ホテルに隣接して巨大駐車場あり。
朝食は2階にある「庄や」にて和食バイキング¥870、7:00-9:30。
つくばバスターミナルから科博・植物研究部まで10分¥190-200。
タクシーだと¥1,410。

<懇親会場>
ダイワロイネットつくば2階にある「白木屋」。
匠コース飲み放題付き2時間、¥4,000。
ラストオーダー後、時間が過ぎても好きにさせていただけました。
ホテルに荷物を置いて懇親会場へ集合が可能。

<タクシー会社>
「大曽根タクシー(おおぞねたくしー)0120-000-302/029-864-0301」推奨。
迎えは無料で来てくれます。
科博・植物研究部は実験植物園からかなり離れている上、複雑。
ここ以外のタクシーに乗るときは「天久保4-1-1にある国立科学博物館・植物研究部まで」などと言っても分かってもらえないこともありえる。

<バス>
つくばバスターミナルから2,5,6番乗り場から出ています。
バスは複雑な上、本数が誠に少ないのでこれまた注意。
でも安い。¥190-200。

<植物研究部近くのコンビニ>
植物研究部を出て、階段を下りて右手の道路沿いに「セブンイレブン」。
歩いて3-4分。
郵便局の宅急便を送ることができます。

<植物研究部近くの弁当屋>
「桃ちゃん弁当」
10個から配達してくれます。
オススメは「鮭デラックス弁当¥630」。
鮭は20cm位の大きな切り身が目を引く!
若者~万年青年さんまで、どなたでも受け入れられる弁当かと思われます。
植物研究部から歩いていくと10分くらいかかります。
10個ほど注文される場合は、前日または11時開店ですが10時過ぎに連絡するのが吉。

東京大学総合研究博物館「植物タイプ標本データベース」:shimizuさんに頼まれ事

第6回すげの会標本同定会が無事終了したあと、9月6日(月)は東京大学総合研究博物館にお邪魔しました。

ikeda先生とyanoくんは現在ネパールへ行っており会えず。

shimizuさんとsakamotoさん、標本貼りのボランティアさんに大変お世話になりました。

shimizuさんから、博物館のHPで公開している標本データベースの宣伝を頼まれましたので、よろこんで紹介させていただきまっす。

< 植物 Botany  Herbarium, University Museum, University of Tokyo
ネパール産植物標本 Flora of Nepal Database
植物タイプ標本データベース(英語サイト)
Type Collection Database
海洋島植物標本データベース
Oceanic Islands Plant Specimen Database
シーボルト植物標本 Von Siebold's Plant Collection
森林植物 Database on Forest Botany section
亘理俊次日本植物写真コレクション
Dr.Shunji Watari -- The photo collection of Japanese Plants
本草図譜(理学部附属小石川植物園所蔵)
Honzo-Zufu by Kanen Iwasaki -- Illustrated Plants in the Edo period(Botanical Garden Koishikawa)

このうち、「海洋島植物標本データベース」はyanoくんが2年かけて標本登録と標本スキャンしたとのこと。たぶんこれ↓で。

少なくとも3台ありました。













データベースはラベル情報だけでなく、標本スキャンによる拡大図も楽しめます。
まるで実体顕微鏡で見ているようです。
ただ、拡大画像(大)を開く場合、かなりパソコンが遅くなることがありますので注意。

shimizuさんより「何かおかしなところがあったら言って下さいね!」

さっそく、同定者情報が抜けている模様だったのでそれをご連絡。
種名だけで、どなたが同定しているのか不明でした。
データベースには入力されているのではと思っています。

*ちょっとした豆知識*
shimizuさんは私のiPhoneの師匠です。
さすが師匠、次はiPadのご購入を検討されておられました。
感化されたhosino先生、帰りの新幹線の中でiPhoneに引き続き、iPadに興味津々でした。

*ちょっとした豆知識2*
私もついにiPhoneユーザーになったわけですが、次は神奈川県博のohnishiくんがそのきざし。
せっかくなので、科博までのバスの中で使ってもらいました。
食いつきはかなりのものでした。

第6回すげの会標本同定会(科博):キノクニスゲの果胞から果胞が!?

無事、岡山へ戻って参りました。
9月4,5日、国立科学博物館・植物研究部で開催された「第6回すげの会標本同定会」の模様を小出しで(思い出した順に・・)お届けいたします。

まずは愛知のmiyazakiさんから「これはブログで紹介しないと!」と背中を押された写真から。

同じく愛知のhottaさんが持ってこられたキノクニスゲCarex matsumurae Franch.です。















よくみると、雌小穂からミニ雌小穂が出ている!!
果胞の口部から枝を出して、そのまた先に果胞が再度登場~


栃木のnoguchiさんが発見され、私、岩手のsuzukiさん、広島のkondouさんが次々とカメラに収めました。

この現象はミヤマジュズスゲCarex dissitiflora Franch.で良く見られます。

2010年9月1日水曜日

第6回すげの会標本同定会:ご参加の方が増えました!

今週末の「第6回すげの会標本同定会」ですが、

hondaさん(つくば市)とkondouさん(広島)のお二人のご参加が決まりました!

合計15名が集います~

懇親会へは12名が参加してくださいます。

¥4,000で飲み放題付き2時間を予約しました~2時間じゃ足りない!?