2010年11月27日土曜日

日本産スゲ属植物分布図集(試案)no.4用の標本データもぞくぞく到着!

「日本産スゲ属植物分布図集(試案)no.4」の準備も進めております。

no.4に掲載予定の種は以下の通りです。

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49 アブラシバ
50 ハナビスゲ
51 オオナキリスゲ
52 フサナキリスゲ
53 ムニンナキリスゲ
54 キシュウナキリスゲ
55 チチジマナキリスゲ
56 ジングウスゲ
57 コゴメスゲ(コゴメナキリスゲ)
58 ナキリスゲ
59 センダイスゲ
60 サドスゲ
61 タニガワスゲ
61-2 オオタニガワスゲ
62 ヤマアゼスゲ
63 ヌマアゼスゲ
64 アゼスゲ
64-2 オオアゼスゲ
65 タテヤマスゲ
65-2 ヒルゼンスゲ
66 ナガエスゲ
67 ウシオスゲ
68 ヒメウシオスゲ
69 ヒメアゼスゲ
70 オハグロスゲ
71 シュミットスゲ
72 カブスゲ
73 トマリスゲ(ホロムイスゲ、クロスゲ)
73-2 キリガミネスゲ
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これまたこの1週間ほどで一気にデータを届けていただきました。

皆さま、ご協力誠にありがとうございます!

来年の1月か2月頃に「すげの会ニュース」と一緒にお届けできればと考えております。

2010年11月25日木曜日

莎草研究no.16へのご投稿ぞくぞく

ここ1週間の間に「莎草研究no.16」へのご投稿が相次いでうれしい悲鳴です。

特に最近は若手からの投稿が増えつつあり、よろこびもひとしおです。

どの分野でも若手の出現が待ち望まれておりますので、莎草研究、すげの会ニュースを是非ご利用いただきたいと思います。

また、ベテランの皆さま、Citizen Scientistの皆さまからのお声も是非お聞かせ願います。

皆さまのこれまでの調査や研究、知識は何にも代えがたい財産です。

これからも増えていく経験とともに、積み重ねられた貴重なデータです。

すでに他の専門誌に発表されたものでも、是非、お知らせ下さい。

宣伝を兼ねて、すげの会で共有したいと思います。

すげの会ニュースでは新旧関わらずカヤツリグサ科植物に関する文献を中心とした文献紹介をしております。こちらで掲載された文献はすげの会ホームページにも掲載されます。

せっかくの貴重な文献を時間に埋もれさせるのはモッタイナイです。

皆さまのご利用をお待ちしております。

*「Citizen Scientist」について
最近、私が気に入っている言葉です。

私の知るところでは、北アメリカ地域で良く見られます。
Citizen Scientistたちの活動に関するホームページもあります。
 
Citizen Scientistsは、大学や研究機関に属さないが、高い志を持つ方々を指します。
その方々は、ある共通したプロジェクトの実現のために日々活動されています。
 
例) 「Bird, Cornell Lab of Ornithology」を検索 What we do にある Citizen Science をクリック
 こんなにたくさんのプロジェクトが同時進行してるのかいっ!?と驚くことうけあいです。

2010年11月22日月曜日

すげアート!at 半田山植物園

植物画家の西本眞理子先生が、岡山市北区「半田山植物園」で教え子さん達と展覧会をなさっています。

お話を伺うと、なんとスゲが展示されているとのこと。
さっそく取材に直行しました。

西本先生はその数多ある美しい作品の中から、なんと「スゲ」の水彩画を2点も展示して下さいました!

岡山といえば「ブドウ」、そして堂々たる「ササノハスゲCarex pachygyna」と「カンスゲCarex morrowii」!










額縁に入れられた「ササノハスゲ」。美しい~

















「カンスゲ」も負けていない~


















半田山植物園の入り口右脇にある小ホールが展覧会場です。
明日(11月23日)までの開催ですが、是非、実物をご覧下さい!

西本先生のブログ
花の絵日記 <11月18日の記事に半田山植物園があります>


*写真の植物画は西本先生に許可を得て、掲載させていただきました。
 いつもありがとうございます!

2010年11月19日金曜日

「カヤツリグサ科写真図鑑」をアップしました!

月に一度のお楽しみ、「カヤツリグサ科写真図鑑」をアップしました!

今回は引き続き、勝山輝男氏による「日本のスゲ」アイウ順にしたがって3種を追加しました。

クシロヤガミスゲ(帰化)Carex crawfordii Fernald
キタノカワズスゲCarex echinata Murr.
ケナシミヤマカンスゲCarex multifolia Ohwi var. glaberrima Ohwi

ケナシミヤマカンスゲが寂しいのは勘弁していただきたいと思います・・・。

2010年11月16日火曜日

きのこ観察会 in 岡山

2010年11月13-14日、岡山理科大学自然植物園主宰で「きのこ観察会」が開催されました。

私は次の日(14日)に「ハングル」検定試験があったので、13日のみの参加となりました。

その13日におこなわれたのは、「きのこの見分け方(初歩の初歩)」です。

井口 潔先生の軽快な語り口ではじまった講座は3時間あったのですが、まったく飽きることがなく最後まで楽しませていただきました。その飽きさせない理由を探ってみました。

1.専門用語は「業界用語」
ついついよく知っているからと専門用語を連発してしまいがちです。ところが、井口先生は専門用語を「業界用語」、きのこの表面が粉状であることを「大福餅のような」、和名なしを「名前募集中」などと分かりやすく言い換えられていました。普段の生活に密着している言葉を使われれば、より身近に感じられます。

2.大切なことは何度も
みのさんもCMで言っていましたが「大切なことは2度以上言います」。先生も大事なことは繰り返しておられました。今回は特に「ルーペ」の大切さが印象に残りました。スゲもルーペは必需品ですが、海外からお越しの研究者の皆さんをお迎えするときに首にかけた「ルーペ」が目印となるというエピソードを交えられたことでより深く記憶に残りました。

3.専門用語の説明は1画像2行まで
専門用語の説明は微に入り際に入り、細かいことまで言いたくなります。先生は一番重要な状況だけを大きく画像として出し、画像で強い印象を与えます。それから、その下に短い説明文がありました。

4.長い説明のあとは1言でまとめ
研究の現状や形質の説明が少し長くなると、必ず最後にまとめをされました。そのまとめが一言でものすごく簡潔に言われるので、「あぁ、そういうことね」とすんなり納得でした。

5.参加者参加型
最後にきのこ観察に必須である木の名前を1人1種ずつ挙げていきました。20人ほどでしたが、大変スリルがあり、なぜなら前の方が言われた木はもう言えないため、参加者必死。200-300種を覚えておけば、とりあえず大丈夫とのことでした。参加者が挙げた種名から、特にきのこ観察に必要な種を選別し、その近縁種を書き加えられました。参加者にとっては声を出すドキドキと自分が言った木がはたしてきのこと関係があるのかというダブルドキドキで大変印象に残りました。なんらかの形で参加者を巻き込む良い例だと思いました。

以上5点はこれまでもどこかで言われていることだと思うのですが、あらためてその重要性を感じた次第です。

また、スゲとの共通点はなかなか世間一般に浸透しないことです。
そのため、専門用語の統一、この人はこれが専門という専門分野の周知、文献・標本・記載データの一括管理など、スゲ分野にも必要なことが共通していました。

最後に強調されたことは「きのこに熱心な人には協力を惜しみません!」です。

特に熱心な方は全国に150名おられ、活発に活動されているのだそうです。
先生の熱意が伝わっているものと思われました。

井口先生のホームページ
→「きのこラボ」で検索すると出てきます。

2010年11月15日月曜日

今月のキビノミノボロスゲ情報!ちょい枯れの危機。

今月も友だちのhirosakaさんから吉備津彦神社のキビノミノボロスゲCarex paxiiの写真を送っていただきました!
何のこっちゃ状態になっております。
中央の葉先が枯れているのがキビノミノボロスゲと思われます。
















「キビノミノボロスゲはまわりの植物があるおかげで、霜などの冷害から守られている」と前向きに考えてみました。

















hirosakaさん!いつもありがとう~
貴重な定点観測です。

2010年11月12日金曜日

【スゲ分布図集】群馬県博の緯度経度変換終了!

群馬県博のohmoriさんから提供していただいたスゲ分布図集用のデータを緯度経度に変換しました!

日本測地系のデータも含まれているのですが、ご覧の通り、1つの点は大きいのでそのまま処理しました。

ちなみに1点の直径は約20kmです。

小豆島であれば、1点で島が見えなくなってしまいます~

2010年11月10日水曜日

【スゲ分布図集】群馬県博のohmoriさんからデータ提供していただきました!

先週、群馬県博のohmoriさんからスゲ分布図集no.3、4用のデータ提供をしていただきました!

ohmoriさんは、私が分布図について迷ったときや悩んだときに支えて下さいます。

いつもありがとうございます!!

現在、緯度経度変換中です~

2010年11月9日火曜日

「越中福岡の菅笠製作技術」が国重要無形民俗文化財の指定を!

富山県から菅笠がついにメジャーに!

「越中福岡の菅笠製作技術」が2009年以降、国重要無形民俗文化財の指定を受けておられます。

→*富山県ホームページ*または*「越中福岡の菅笠製作技術」の国重要無形民俗文化財の指定*をコピペして検索ください

すばらしい~

みなさん、カサスゲやカンスゲの話題が出たら、
「そういえば、2009年くらいから富山県で菅笠が国重要無形民俗文化財の指定をうけてるんだよね~」
と一言付け加えて下さいますようお願いいたします!

2010年11月8日月曜日

携帯電話を見事に洗濯!さてどうする?結局、機種変更。

Twitter on masakisuge 2010年11月4日(木)より
今日は脇目もふらずパソコンに背を向けて頑張ったのに、携帯電話を見事に洗濯したことが明らかとなりました。その結果、やる気が減退し、ツイる元気も無く。カラ元気で乗り切った私に幸あれ(/ _ ; )
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こんな訳で、携帯電話を見事に洗濯してしまいました。
濡れたまま電源を入れるとさらに悪化するとのことで、そのまま放置。

土曜日にドコモさんへ出かけました。

すると、電源は入るが、キー操作ができないとのことで、やはり機種変更を進められました・・・・。
そのときの私には3つの選択肢がありました。

<まずは使用状況>
1.はっきり言って、すげの会専用回線である
2.ほぼ受信専用。電話をかけるのは数ヶ月に一度程度。
3.一番電話をかけるとしたら、スゲの調査時期
4.iPhoneと携帯の2台持ち、もうメインはiPhone
5.携帯はスゲの時期だけでも良いとまで思っていた
6.携帯は基本料金のみ¥980、1年以上何もなかったので今年7月から保証(¥315)を外した←これがそもそもの間違い

<選択肢>
1.ドコモさんで機種変更
2.ソフトバンクさんで新規契約
3.ソフトバンクさんでプリペイド携帯(プリモバイル)にする

**********************
**注意**
価格は2010年11月6日(土)のものです。
おおざっぱな値段ですので、あくまで参考程度にしてください。
正確な価格・値段は各携帯電話会社へお問い合わせ下さい。
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<それぞれの状況>
1.ドコモさんで機種変更の場合
おおまかなTotal 
¥19800(最安本体)+17000(オプション:どうしてもつける必要あり)
=だいたい¥37,000
6ヶ月以降 ¥980(基本料金)+¥315(保証)=¥1,300くらい
充電器は今までのをそのまま使用可能とのこと

2.ソフトバンクさんで新規契約の場合
おおまかなTotal
¥10,000(ドコモ違約金)+19,800(本体)+充電器(¥1,000)+事務手数料(¥3,000:引き落とし)
=だいたい¥34,000
→新規契約なので本体は実質¥0になるようです(先払いするだけ)
月々 ¥980(基本料金、ソフトバンク同士は通話料タダ)

3.ソフトバンクさんでプリペイド携帯(プリモバイル)にする場合
実質、私の使用状況には一番あっていると思われたダークホース
おおまかなTotal 
¥10,000(ドコモ違約金)+2,100(本体)+3,000(プリぺイドカード)+¥3,000(事務手数料:引き落とし)+充電器(¥1,000)
=だいたい¥20,000

<決め手>
1.電波状況
やはりまだまだドコモさん強しと判断
以前、鹿児島から南の黒島でもドコモさんだけは通じた実績を重視
2.プリペイド携帯
プリペイド携帯(プリモバイル)から普通の携帯に変更する場合、電話番号が変わる
普通の携帯に変更したがるかも。気が変わる可能性大!
3.ドコモ違約金が意外と高い気がした
4.ソフトバンクさんにプリペイド携帯本体が売り切れだった
かなり人気のようです。¥2,000の次は¥5,000くらいのがありました。


それぞれの携帯電話会社さんにお話を詳しく伺い、良い勉強になりました!
開店直後の10時から調査を開始し、機種変更終了まで3時間かかりました。

その後、こう考えてみたら納得した。
「先に2万円払えば日本全国どこでも電話できるようにします。
端末は2万円くらい、あとは月々千円ちょっとでいつでも電話できます。」

日々のメンテナンスや保証の良さを考えると安すぎないかとすら思ってしまった。

追伸:ついでに、iPhoneの保証(APP)も加入して参りました。

2010年11月5日金曜日

第40回後楽能に行ってきました!

2010年11月3日(水)、第40回後楽能に行ってきました!
これは毎年「文化の日」に岡山県が誇る後楽園で行われる能です。
今回は記念すべき第40回ということで鑑賞は無料!でした。
(いつもは¥2,000~3,000くらいするそうです)















すがすがしい朝!開演の1時間前に到着。

私は何も考えていなかったのですが、自慢の友であるhirosakaさんが誘ってくださり、2つ返事で行くことに決めました。そうしたら記念回だわ、無料だわでラッキーでした。













会場。すばらしい手入れ。

内容は、岡山に縁のある能「藤戸」、舞囃子5題、半能「石橋(しゃっきょう)」でした。

最初に分かりやすい解説を現代語でしていただき、また、入場の際に難しい言葉などを解説したプリントが配布され、助かりました。

能が行われる場所は大きな家という感じで舞台のまわりに少し開きがあり、観覧席となります。
正面は招待席、右側と左側が一般席でした。一般席にも座布団タイプと椅子タイプがありました。
hirosakaさんから「去年はえらい寒くて、途中で帰る人もいた」との事前情報を得ていたので、カイロを10枚買い込み、さらに靴下用のカイロまで準備して完全防備!でしたが、案外暖かく過ごせたのでした。

「藤戸」はある殿様が武勲を挙げたが、その戦いの途中で助けてもらった漁師を殺してしまった。その後、その母親に責められ反省していたところに子(漁師)の亡霊が登場!こちらも殿を責めるが責めてるうちに「まあ、良い感じに弔ってくださってるし」と気が済む話。

「石橋」は半能で、盛り上がる後半部分のみが演じられました。
白獅子=親、赤獅子=子が牡丹の花が咲き乱れる橋の上で暴れまくる「こりゃめでたい」話。

と分かった風な書き方をしていますが、本当はすごく理解するのが難しかった!
なぜそこで止まる?そして曲がる?表情を読む?でも無表情!?

まあ、初めから分かる訳がない。と自分をなだめながら後楽園を眺める私でした。
岡山城!すてき!
後楽園は岡山県人の誇る最高の庭園です。
ツルもコイも元気でした。

hirosakaさん、誘ってくれてありがとうね!

2010年11月1日月曜日

やっと実ってきたナキリスゲ!in 岡山

秋のスゲと言えば、「ナキリスゲCarex lenta D. Don」とその近縁種です。

最近になってやっとナキリスゲの果胞が実ってきたようです。

私が見つけたのは星野研がある建物の車道脇ですが、やっと頭を垂れてきました。















竹で作られた生け垣の根元に生えています。

頭を垂れているということは、果胞が実って小穂が重くなってきているからと思われます。















今年までそこに生えているのを全く気付きませんでした~

写真を撮るには手前の生け垣(やや大)をうまく避けて撮影する必要があるのですが、通りがかった学生さんに”そんなにのめり込むほど珍しい何かがあるのだろうか・・?”という顔をされました。当然、”あるで!”という顔をして激写する私でした。

ナキリスゲ節は初夏を花期とするほとんどのスゲ属の中でも珍しく秋に花期を迎えるグループです。この花期のズレから、ナキリスゲ節の起源は熱帯地方であろうと考えられています。岡山ではナキリスゲ、コゴメスゲ(コゴメナキリスゲ)Carex brunnea、フサナキリスゲCarex teinogyna、オオナキリスゲCarex autumnalisが生育していますが、ほとんどはナキリスゲです。