Journal of Biogeography (J. Biogeogr.) 33: 948-956. (2006年)
Central Asian origin and strong genetic differentiation among Alpine populations of the rare and rapidly-declining scorched alpine-sedge Carex atrofusca (Cyperaceae).
Schonswetter, P., M. Popp & C. Brochmann
Carex atrofuscaは北半球の北極~高山地帯に分布する種として知られているが、高山地帯では群落の大きさも様々で点々と生育している。
ところが、高山地帯以外の北極圏ではC. atrofuscaは分布域も広く普通種として知られている。
そこで、高山地帯のC. atrofusca集団の遺伝的な違いとその頻度を調べ、種内変異を調べた。
その結果、C. atrofuscaの種内変異は極めて多いことがわかった。
さらに、集団内における「遺伝子浮動」が強く働いていたことから、集団サイズが縮小したのは中央アジアを起源として定着するとき、または完新世の暖期のどちらかであることを明らかにした。